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BIRDS

by MELODY KOGA

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1.
オウム 01:13
2.
3.
ペリカン 01:10
4.
アヒル 01:05
5.
6.
シラサギ 01:14
7.
キツツキ 01:11
8.
クジャク 00:58
9.
カッコー 01:08
10.
ウグイス 01:11
11.
ニワトリ 01:08
12.
ツル 01:14
13.
スズメ 01:12
14.
トキ 01:14
15.
16.
ペンギン 01:15
17.
ハチドリ 01:14
18.
19.
20.
21.
モズ 01:24
22.
ホオジロ 01:19
23.
オシドリ 01:24
24.
コマドリ 01:24
25.
ムクドリ 01:15
26.
ヒヨドリ 01:24
27.
28.
29.
01:04
30.
ワシ 01:11
31.
ガン 01:07
32.
ヨタカ 01:27
33.
キジ 01:18
34.
35.
ミミズク 01:11
36.
ハヤブサ 01:08
37.
カモ 01:17
38.
ダチョウ 01:10
39.
ヒバリ 00:58
40.
41.
トンビ 01:09
42.
43.
メジロ 01:14
44.
45.
46.
セキレイ 00:56
47.
カワセミ 00:54
48.
49.
ドードー 01:02
50.
51.
52.
53.
ウズラ 01:04
54.
インコ 01:06
55.
ツグミ 01:03
56.
カラス 01:03
57.
ハト 01:11
58.
カモメ 01:00
59.
カナリア 01:12
60.
フクロウ 01:20

about

1. オウム

霧に包まれて
何も見えないので

霧が晴れるまで
眠ることにします


散乱した睡眠薬を
ひとつ残らずついばんで

飼い主を亡くした
オウムは濃霧の中


2. ブンチョウ

その手には乗らない
その手にも乗らない

この手にしか乗らない
この手にしか乗れない


千手観音の
千の手のひらの上で

羽を休める
千羽の手乗りブンチョウ


3. ペリカン

魚しか焼かない
焼き鳥屋で

見えないペリカンと
熱燗を飲んでます


飲み代はもちろん
割り勘ではなく

ペリカンでもなく
私が払います


4. アヒル

小さ過ぎて
見にくいアヒルの子も

老眼鏡をかければ
よく見える


眩し過ぎて
見にくいアヒルの子も

サングラスをかければ
よく見える


5. ハクチョウ

杏仁豆腐の湖で
アンニュイに舞い踊る

ハクチョウの大魔王
ハクチョウ大魔王


溺れる私に目もくれず
アンニュイに舞い踊る

薄情な大魔王
薄情大魔王


6. シラサギ

足首まで伸びた
美しい黒髪の

恋人の亡霊の肩を
命がけで叩いていたら


白髪を見つけました
美しい白髪を

恐る恐る抜いてみたら
シラサギになりました


7. キツツキ

嘘つきな男が
餅つきをしていた

餅をつきながら
嘘をついていた


すると その空っぽの臼に
キツツキが止まって

嘘つきな男の胸に
風穴を開けた


8. クジャク

黒いクジャク
ブラッククジャク

廃墟になった病院の
手術室の


手術台の上で
めいっぱい羽を広げ

暗闇を相手に
求愛ダンス


9. カッコー

過去を振り返る
暇は無いと

格好つけて言ってみたが
言ってみただけで


暇を見つけては
古いアルバムを開いてる

カッコーの巣の中に隠れて
過去を開いてる


10. ウグイス

鳴くよウグイス平安を
求めて狂おしく

鳴くよウグイス平安に
恋焦がれ 焼きただれ


ご飯も喉に通らない
通らない その喉を震わせて

鳴くよウグイス平安狂
平安狂い


11. ニワトリ

私の庭には二羽
鳥がいる

ニワトリではない二羽の
鳥がいる


一羽の鳥は
首から上が無い

もう一羽の鳥は
首から下が無い


12. ツル

何ひとつ
恩返し出来ずに

倒れたツルの
つるつるした目に映る


三途の川に
酢と醤油と味醂を流し

三途の川を
三杯酢の川にしたい


13. スズメ

たとえ舌を切られて
舌切りスズメになっても

たとえ老人になって
寝たきりスズメになっても


スズメは絶唱する
鼻歌など一度も

スズメは絶唱する
歌った事は無い


14. トキ

時が経つ
あっという間に時が経つ

時が死ぬ
あっという間に時が死ぬ


トキが絶滅すれば
時も絶滅する

立つ時跡を濁せ
立つ時何か残せ


15. フラミンゴ

首を長くして
世界の終わりを待ちながら

足を長くして
世界の始まりを待っていた


フラミンゴの群れが
今 空を染める

リングに沈んだボクサーの
瞼の裏の空を


16. ペンギン

喧嘩は売らないで
喧嘩は買わないで

全ての喧嘩は非売品だと
教えたはずなのに


献花台の上で
喧嘩を始めたペンギン達

このペンギンショーが終わったら
本当にお別れです


17. ハチドリ

私の耳を
花と間違え

私の耳に
くちばしを差し


鼓膜の向こうの
甘い言葉を

蜜と間違えた
ハチドリの早とちり


18. ホトトギス

一粒の小さな
木の実を奪い合う

ホトトギスと
ホトトギス


ギスギスしてるけど
遠目に見ると

まるでキス
ほとんどキス


19. シジュウカラ

始めから
終わりまで

一部始終を見ていた
一部シジュウカラ


揺り籠から墓場まで
鳥籠から酒場まで

全部見ていた
全部シジュウカラ


20. ゴジュウカラ

獄中から
届く年賀状

途中から
届かなくなった


喪中かな
それとも夢中かな

ゴジュウカラ
夢の中かな


21. モズ

百通りの
自慢の鳴き声が

花粉にやられて
鼻声に


ムズムズを通り越し
モズモズしてるけど

モズの調子は
まずまず


22. ホオジロ

嘘ではなく
真実を報じろ

嘘をつく
その口を封じろ


スズメではない
スズメに似ているが

ホオジロ
真実はホオジロ


23. オシドリ

引いてだめなら
オシドリ

それでもだめなら
オシボリ


しっかり手を拭いて
ついでに顔も拭いて

ついでに涙も拭いて
もう一度オシドリ


24. コマドリ

おでこの上で
コマが回り

刺さってきて
困っていたら


コマドリが現れて
困り顔をして

私と一緒に
困ってくれた


25. ムクドリ

スーパーで
安売りされていた

禁断の果実の
皮をムクドリ


螺旋を描いて
落下した

皮を拾い上げ
首にマクドリ


26. ヒヨドリ

火よ
おまえは何故赤い

火よ 火よ
おまえは何故熱い


来る火も来る火も
去る火も去る火も

火に問いかける
ヒヨドリ


27. ライチョウ

何も問題はない
万事快調

何も怖くはない
ライチョウがいれば


カミナリも怖くない
万事ライチョウ

ライチョウがいるから
ライチョウぶ


28. ヤンバルクイナ

今にも死にそうな
ヤンバルクイナ

なんか飲みな
なんか喰いな


スペインバルで
なんか飲みながら

なんか喰って
スペインバルクイナ


29. ウ

ウを
誘拐された

ウ飼いが
迂回して海に出て


ウー
マンボを踊りながら

マンボウを飼い
マンボウ飼いになる


30. ワシ

シワシワの
爺さんが

シュワシュワの
飲み物を飲んでたら


ワシにも飲ませろと
ワシが飛んできたが

ワシのだ飲ませんと
ワシをかわした


31. ガン

改造爺さんの
マシンガン

改造して作った
自慢のマシンガン


自信満々で
照準を

ガンに定めたら
蕁麻疹が出た


32. ヨタカ

まさか酔ったか
この程度の酒で

まさかヨタヨタか
おまけにヨタカか


夜道をヨタヨタ歩き
夜空へヨタヨタ飛び立ち

夜空でヨタヨタ羽ばたき
星になったか


33. キジ

対岸の
火事を見てたら

飛び散る火の粉が
キジになり


こっちまで飛び散り
無事では済まず

もれなく朝刊の
記事になる


34. ハシビロコウ

橋の向こうに
ハシビロコウ

飛び去る前に
急いで会いに行こう


激しく行き交う
車に轢かれないよう

橋の端を
走って会いに行こう


35. ミミズク

映画館の中で
エンドロールが

続く
永遠に続く


耳の中で
エンディング曲が

ミミズク
永遠にミミズク


36. ハヤブサ

閑古鳥が
笑っている

暇過ぎて
笑ってしまっている


気長に待とう
そのうち流行るさ

気楽に続けよう
そのうちハヤブサ


37. カモ

可も不可もなく
カモが鳴く

良くも悪くも
雲が流れる


カモン 雲
流れ去った 全ての雲

呼べど叫べど
もう遅いかも


38. ダチョウ

全てを捨てた
ぼろぼろの男が

ぼろぼろのダチョウの
飼育員になった


一緒に逃げよう
夢の中へ

そう呟いて男は
檻の鍵を開けた


39. ヒバリ

あなたは右に
私はヒバリに

何度も何度も振り返ろう
たとえ首の骨が折れても


何度も何度も手を振ろう
たとえ手首の骨が折れても

いつか私も
あなたも光に


40. キュウカンチョウ

図書館は
今日も休館日

九年前から
毎日休館日


休館中の
図書館の

館長は
キュウカンチョウ


41. トンビ

テトラポットに腰かけて
一服しようとしたら

トンビが飛んできて
煙草を強奪されました


テトラポットに腰かけて
切腹しようとしたら

トンビが飛んできて
刀を強奪されました


42. アカショウビン

一生分の
涙が詰まった

一升瓶が
空になり


灯りの消えた
赤提灯に

アカショウビンが
灯りを点けた


43. メジロ

メジロが
ジロジロ見る

白い目力で
ジロジロ夢を見る


ジロジロ見られて
たじろいだ夢は

みるみる白くなり
ミルクになる


44. ルリビタキ

森が燃えて
ぐるりと

炎に囲まれた
ルリビタキ


小声で歌いながら
凍える身体を

炎で暖めれば
ルリタキビ


45. シマエナガ

眠くなったら
眠ってシマエナガ

永い夢の川に
流されてシマエナガ


流されてる間に
永い夢の岸辺の

短い夢は
終わってしまうから


46. セキレイ

誰も乗ってない
電車の

開け放った
窓から入ってきた


綺麗なセキレイに
席を譲るため

席を立って
窓から飛び立った


47. カワセミ

死んだはずの
あのひとに

再会して
盃をカワセミ


生きていたはずの
あのころに

言えなかった
言葉をカワセミ


48. コウノトリ

期限が切れ
無効になった

パスポートで空の
向こうへ行って


無になって
向こうで鳥になる

無になった鳥は
無コウノトリ


49. ドードー

どうしたら良いのか
わからないまま

どうしようもなく時は過ぎ
ドードーは


星めぐりの歌では
どうしても物足りず

ドードーめぐりの歌を
堂々と歌い出す


50. アホウドリ

月の川の流れに
流され

流れ着いた
月の海


漂いながら
眺める

アホウドリ
ヘップバーンの群れ


51. シソチョウ

質素な公園の
シーソーに

シソチョウが降り立ち
シーソーが傾く


シソチョウが飛び立ち
シーソーが揺れる

暗い色調の空
今にも降り出しそう


52. ジュウシマツ

空へ放たれ
怯えるジュウシマツ

鳥籠を探して
叫ぶジュウシマツ


この自由を
始末してくれ

この自由に
始末される前に


53. ウズラ

ウズラの
卵の中で

うずくまり
ウズウズしてた


生まれたくて
生まれたくて

生まれたかったのに
踏まれた


54. インコ

インコが逃げた
衝撃で

インクをこぼした
遺書に


一生懸命書いたのに
台無し

書き直すのが面倒で
生きた


55. ツグミ

あの日からずっと
閉ざされた図書館の

閉ざされた本の中で
夏が続く


夏の陽射しに輝く
言葉の森の

言の葉の陰に身を潜め
口をつぐむツグミ


56. カラス

言わないで 言わないで
それは言わないで

言わないで 言わないで
それも言わないで


重大な秘密を乗せた
黒い車の渋滞

空の彼方へ連なる
カラスの渋滞


57. ハト

手品は失敗した
ハトが出なかった

シルクハットの中で
ハトは泣いていた


ルビーのような
赤い涙を流し

シルクハットの中で
ハトは卵を産んでいた



58. カモメ

漂流する
折れたサーフボードの上で

羽を休める
あの鮮やかな赤い鳥は


さよならも言わずに
颯爽と

銃弾の雨の中に消えた
あのカモメかもね


59. カナリア

ヘッドライトに照らされて
カナリアの雨が降る

ヘッドライトに照らされて
カナリアは歌を思い出す


ヘッドライトが消えて
カナリアの雨が止む

ヘッドライトが消えて
カナリアはまた歌を忘れる


60. フクロウ

ひとつ目のフクロウが
月にウインクしてる

ウインクしてるけど
ひとつしか目が無いから


まばたきしてるようにしか
見えないはずなのに

月は赤くなり
雲に隠れる





released July 3, 2020

MELODY KOGA:Vocal, A.piano

All Songs & Lyrics written by MELODY KOGA
Recorded, Mixed & Masterd by MELODY KOGA
Photograph & Design by MELODY KOGA

credits

released July 3, 2020

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all rights reserved

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about

MELODY KOGA Japan

同じコード進行(FM7 Em7 Dm7 CM7)でピアノを弾きながら、短い歌(30〜60秒くらい)をたくさん歌う。持ち歌は1000曲以上。12時間におよぶコンサートを行うことも。

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